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新連載!日経ホームビルダー「掃除がラクな家の作り方」

 建築業界初となる掃除専門家の連載がスタート! 雑誌「日経ホームビルダー」(2008年10月号・日経BP社)より、クリーンプロデューサー「植木」による建築企画【掃除がラクな家の作り方】の連載がスタートしました。
家を建てた後から掃除を考えるのではなく、掃除メンテナンスを考えた家づくりを紹介します。ハウスクリーニングなど住居における掃除問題の解決手法を、掃除現場の声と共に家を建てる側の専門家に向けて情報発信をしていきます。
「日経ホームビルダー」は、工務店、ハウスメーカーをはじめ設計事務所、建材・設備会社などで戸建て住宅の設計、施工に携わる方々に、住宅の性能、コスト、顧客ニーズへの対応など技術や営業、経営、市場に関する最新情報やノウハウを読みやすく、わかりやすく紹介する実務情報誌です。
詳しくは: http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/HB/ 

住まいの掃除 /第一編 掃除 第一章

■ 第一章 住まいの掃除
住まいの掃除は、居住者にとって身近な存在であり誰もが行うことであるが、掃除についての知識や技術および掃除業界についての認知度は低いようである。住まいの掃除といってもその範囲は広く、個人で行う日常的な掃除から、専門業者が行う高い技術が必要とされる掃除まで多種多様となる。

掃除の専門業者にも様々な業態があり、個人でも行える掃除を代わりに行う家事代行業者や便利屋などのほか、専門的な技術が必要とされる各種の掃除業者など、業界内でも細分化されているのが現状である。

さらに、一般的にはあまり知られていないが、掃除にも厚生労働大臣認定の国家資格があり、建築物衛生関係法令などに基づき、建築物の清掃および維持管理などメンテナンスについての知識や技能を定めている。その内容は主に、多数の人が使用する特定(特殊)建築物の公衆衛生についてだが、住宅などの個人衛生としても同様のことが言える。それは、個人衛生の集まりが公衆衛生ともなるからである。今回の企画は、公衆衛生の知識を個人衛生に応用していく要素を含んでいる。

これらの建物と掃除について専門的な話をする前に、少し掃除業界について紹介したいと思う。

【1】 掃除業界
日常的に身近な存在でもあり誰もが行う掃除だが、その範囲は広くカンタンな掃除から高い技術が必要とされるものまで多種多様となる。そして、それに伴い掃除業者のサービス内容や専門性も細分化されてきた。

ビルやマンションといった大型建築物(特殊建築物など)の掃除を行う専門業者は、各掃除の作業量も多いため専門性が強く、床や室内など建物全般の清掃(日常清掃・定期清掃)を行う業者や、外壁や窓など高所の掃除を行う業者、害虫駆除・防カビ業者、空調ダクト清掃業者、貯水槽・浄化槽の清掃業者、養生引き渡しクリーニング業者、原状回復クリーニング業者などなど、清掃業者も多種多様である。

(*ちなみに、ベストでは掃除に関する多くの専門メニューに対応しており、掃除の国家資格を持つ1人の職人が多くの技能を身につけオールマイティーにできるように努めている。一人の職人が総合的な掃除の技能を身につけることで、建物全体の状況を把握でき、質の高いトータルクリーニングを提案できるからである。反面、良い職人が育つまでに多くの時間が必要となるため、人材育成が困難といったデメリットもある。)

下の画像はベストの工事主任:クリーンマスター「市川」。一人の職人が多くの技術を持つ。

もともと掃除の各種国家資格も、多くの人が利用する公共性の高い特定(特殊)建築物の衛生管理のために法律ができ(建築物における衛生的環境の確保に関する法律…通称:建築物衛生法)、それらを全うするための知識や技能の取得を目的としている。つまり、公共衛生については国(厚生労働省)の管轄ともいえる。
また、これらの大型建築物業界の掃除専門業者がハウスクリーニングを行っている場合もある。事実、国家資格のテキストにもハウスクリーニングについての項目がある。

反面、個人衛生となる住宅になると民間の要素が強くなり、個人が行う日常的な掃除を代わりに行う家事代行業者や便利屋などのほか、人気のある限られた掃除メニューをマニュアル化して素人を20日程度の研修で誰でも掃除のプロになれるとしている、大手ハウスクリーニング会社などがいくつもある。
(*ちなみに、掃除の国家資格を取得するためには基本的に最低3年の実務経験が必要とされる)

メリットとしては人材の育成が短期間で行えるため多くの顧客ニーズに対応することができ、ハウスクリーニングという分野を大きく躍進させてきた。掃除のプロという存在を、一般的に広く認知させて居住者からも身近な存在となった。

どちらが優れているという問題ではなく、こうした業界の全体像が不透明であり、依頼者のほとんどは掃除業界の多岐にわたる専門性について知らないことが多い。一般的には掃除のプロという形で一括りにされているようだ。

事実「8日間の研修であなたもプロのお掃除屋」といったベンチャー企業の広告を見たことがあるのだが、「簡単で私でもこんなに儲かりました!」的なことしか書いていなかった。その他、便利屋や家事代行業者などは基本的に「居住者の代わりに」行う作業のため、掃除の国家資格や大手ハウスクリーニング会社のマニュアルとも違い、個人的に開業している業者も数多く存在する。こうした背景からか「掃除は誰でもできるでしょ?」といわれた事も1度や2度ではない。

ある意味間違いではないのだが・・・

「料理」で例えるなら、誰でも作れる簡単なレシピの料理もあれば、高い技術を持つ一流のコックにしか作れない料理もある。どちらも料理といえば料理だが、内容に大きな差がある。掃除も作業を行う者により仕上がりに大きな違いが出てくるものである。

どの業界でも同じことがいえると思うのだが、数こそ少ないがその道を極めようとする高い技術を持つ職人や、様々な問題点を解決するクリエーターがいるものである。そして掃除のプロもいろいろあるので、必要に応じた(適した)業者を調べて選択することができるのである。

仮に同じ物を掃除するにしても依頼者の求める掃除の仕上がりによって業者が異なる。
つまり掃除も、低料金で自分の代わり又は少しレベルの高い仕上がりで良い人と、多少価格が高くても質の高い仕上がりを求める人がいて、両者の求めている掃除業者が異なるということである。

しかし、混沌とした掃除業界で的確に業者を選出するのは困難な状況であるのも確かである。

このような業界の背景も、掃除職人に対する偏見や掃除現場からの声などが、なかなか世間に伝わりにくい環境を作り出している要因の一つと思われる。

連載・第2回 「お掃除ニャンポイント講座」

雑誌「猫生活」(2008年月9号・緑書房)にて、クリーンプロデューサー「植木」によるお掃除企画【お掃除ニャンポイント講座】の連載をしています。第2回目は臭い対策についてのポイントを紹介しています。その他にも、猫課★報告書(ブログ)担当「しずく」による【猫課4コマ劇場】にて、猫社員も毎回登場しています。また、ペットと快適に暮らしていくためのお掃除情報については、ベストHPのペットtoベストまで。

「害虫完全撃退!2008」

雑誌「週刊女性」(2008年6月17日発売号・主婦と生活社)にて、クリーンプロデューサー植木が【生活実用ワイド・・・2008年、大発生の予測が!にっくき害虫に完全撃退宣言!!】企画の監修をしています。害虫対策についてはベストHPのお掃除教室【カビ・ダニ・ゴキブリまとめて対策】でも紹介しています。

新連載!「お掃除ニャンポイント講座」

当社初となる新連載! 雑誌「猫生活」(2008年7月号・緑書房)より、クリーンプロデューサー「植木」によるお掃除企画【お掃除ニャンポイント講座】の連載がスタートしました。各号の発売時期に重宝するお掃除ポイントをお伝えしていきます。その他にも、猫課★報告書(ブログ)担当「しずく」による【猫課4コマ劇場】にて、猫社員も毎回登場しています。また、ペットと快適に暮らしていくためのお掃除情報については、ベストHPのペットtoベストまで。

抜け毛・ニオイ・虫トラブル対策

犬の通販誌「アイケント6月号」(2008年5月7日発売・リクルート)にて、お掃除のプロとしてベストの掃除職人「市川」が、抜け毛や臭いで悩むアイケントスタッフの自宅をチェックして、予防対策や掃除方法などのポイントを紹介しています。また、企画の構成や監修などをクリーンプロデューサー植木が行っています。汚れやすい場所やドッグスペースの設置場所についてなど、室内において人と愛犬が健康で快適に暮らしていくためのお掃除情報満載です。掲載内容は猫課★報告書(ブログ)にて紹介しています。

春に頑張るお掃除ポイント! 2008

 通販雑誌「アイケント4月号」(2008年3月7日発売・リクルート)にて、【虫・ニオイ、今度こそサヨナラ!ドッグスペース模様替え」と題して、ベストのクリーンプロデューサーが掃除企画の監修をしています。企画内容は、「ペットと暮らす 臭いのお手入れ方法2007」 や「ペット to ベスト」など、ベストのホームページ・オリジナル企画を基に作られています。
掲載内容は猫課★報告書 http://osoujibest.blog112.fc2.com/blog-entry-115.html (ブログ)にて紹介しています。

はじめに

■ 掃除 = 健康 = エコロジー
掃除とは、衛生的な環境を確保するための行為であり、使い続けることはエコロジーでもある。とくに、住まいが衛生的に保たれるということは、居住者の身体だけでなく、精神的にも癒されて健康的な生活環境となる。このことからも、掃除は人が快適に暮らしていくために大切であり、大人~子供まで生涯に渡り日常的に関わることになるものである。

気密化が主流となる近年の住宅では、様々な掃除の問題が居住者を悩ませており、ライフスタイルの変化に伴う掃除の負担やアレルギー問題など、室内環境の改善を行うため掃除の専門業者に依頼するケースは年々増えている。

また、世界的にエコロジーな社会を目指す現代、長く使い続けるための掃除・メンテナンスはとても重要なことである。掃除メンテナンスが行き届いた建物は、耐久性能が向上して建築物を強力にサポートすることになる。


ちなみに、建築物清掃業界では “掃除” とはあまり呼ばず、清掃及びメンテナンスと呼ぶことがほとんどである。基本的にはビルなどを対象としているためビルメンテナンスとも呼ばれている。
しかし、一般的には清掃やメンテナンスという言葉よりも、掃除と呼ぶほうが身近で親しみやすいということから、掃除=清掃及びメンテナンスということで話を進めていく。

私も十数年以上現場で掃除をしてきたが、現場の声とはなかなか世間に伝わらないものである。
掃除業者にもいろいろあることや、掃除がラクなものと大変なものがあることや、居住者(使用者)からの要望やその解決策など、もっと多くの人に知ってもらえば、建物や掃除現場の環境も向上すると考えていた。しかし、現場で掃除をしていても現状は変わらないので、モップをもつ代わりにペン?を持ち掃除をすることにした。
建物と掃除の研究を行い、掃除の基礎知識や現場の意見などを採り入れた企画を作り、メディアなどを通じて情報発信する事で、現場の声がより多くの人に伝わるからである。そして、その情報が一人でも多くの人の掃除に対する問題解決になればと考えている。

■ 掃除の専門家:クリーンプロデューサー
掃除の専門家という言葉は一般的に聞き慣れていないと思う。私自身もあまり聞かない言葉である。個人的な意見となるが、私の考える掃除の専門家とは、掃除の現場経験も豊富で技術もあり、掃除の国家資格を取得することで基礎知識を身につけた者である。もちろんそれ以外にも掃除の専門家はあると思うし、すでに活躍されている方もいるのだと思う。

しかし、もっと実際の現場を知っている掃除の専門家が活躍できる環境はあると考えている。それは、清掃作業員としての業務にとどまらず、掃除専門家としての知識や現場経験などを活かして、掃除をプロデュースする立場に就く 「クリーンプロデューサー」 という新しい職業ジャンルともいえる。
私は、清掃実務経験十数年、ビル~住宅、設備機器~家具や家電など様々な物を掃除してきた中で、「もの」には掃除がラクなものと大変なものがあることを知っていた。そして掃除現場などで最適な作業方法を考えている時など、 「作るときにもっとこうすれば掃除がラクになるのに」 とたびたび感じていたのだ。
この先、建物を作る側の人たちがもっと掃除について知り、現場の声などを取り入れた建築をすれば、今まで以上に掃除がラクになるのである。

建築物に限らず、家具、電化製品、自動車、その他、人工的に生産し継続的に使用していく物であれば、必ず「掃除・メンテナンス」が必要になってくる。「掃除・メンテナンス」を考えて作られた製品は、衛生的で長く使う事のできるエコプロダクツともなる。
今後、掃除の専門家であるクリーンプロデューサーが建築構想や新製品の開発段階から関わることで、創り出される製品は掃除・メンテナンスのしやすいものになると考えている。

近い将来、様々な企業や業界に携わるクリエーターとのコラボレーションにより、日本の街やモノの掃除がラクになり、社会は今よりもっとキレイになるのでは? と勝手に想像している。

Clean Producer 植木照夫

*連載は不定期(なるべく月1回以上)で更新していく予定。
(*ちなみに、企画内のイラストや画像なども私の作品)
また、日経ホームビルダーで行っている連載は(2008/09/22発売10月号~)、この構想案の1部から抜粋した内容となっている。