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掃除がラクな壁面・天井材(窓サッシ、壁紙、珪藻土、木、タイル、扉、他)/第三章-2.3 

3-2.3 掃除がラクな壁面・天井材(窓サッシ、壁紙、珪藻土、木、タイル、扉、他)
壁や天井に使用される建材は多くあるが、掃除を対象に選ぶ場合、室内の仕上げ材ということになる。壁には大きく分けると壁面・天井材、窓サッシ、扉となり、それぞれの部位で掃除のラクな建材を選んでいく。壁面・天井材などは、室内の3分の2を占める重要な建材となる。

【1】壁面・天井材の種類と掃除について
壁面や天井に使用される建材の種類も多く、掃除のしやすさについても単に種類で分けることは難しく、各商品の特性などによっても様々である。その中でも代表的なものを掃除がラクな順番に挙げてみる。

(1) 壁紙・クロス
クロスには素材別でビニール、布、紙などの種類があり、ビニールクロスは壁面・天井仕上げ材の中でも1番掃除がラクな建材といえる。その中でも防汚機能付き(コーティングによる汚れ防止やフィルムによる汚れ防止など)はとくに掃除がラクである。また普通のビニールクロスでも若干の耐水性があるので、洗剤や水を使用した作業ができ掃除はしやすく、価格も安いのでおすすめとなる。その他、紙や布素材の壁紙は、質感があり調湿効果があるとされているが、壁紙の表面形状に小さく激しい凹凸が多くあるため、ほこりなどの汚れが付着しやすく、耐水性に乏しいため水を使用した洗浄が困難となる。その他、素材の違い以外でも各商品の特性や機能などによって、掃除がラクな壁紙・クロスがある。

ハウスクリーニング現場資料画像1・・・壁紙クロス

   

 ビニールクロスの場合には、汚れの程度にもよるのだが、洗浄作業が行える。

 
(2) タイル(壁面)
タイルは、耐候性、防火性、防水性に優れた仕上げ材である。また、酸やアルカリなど薬品にも強く、耐摩耗性もあり、掃除がラクな建材といえる。しかし、目地材の素材は違うので、掃除作業をするにあたって注意が必要となる。水廻りなどではタイル自体の汚れは少なくても、目路の部分に発生するカビ汚れや素材に入り込む油性の汚れなどは除去に困難を伴う。

ハウスクリーニング現場資料画像2・・・壁面タイル

   

 キッチンのタイル壁面材。タイル自体は掃除がラクだが目路の汚れ除去は大変。

 
(3) 木(壁面・天井)
木には天然の無垢材や合板といった物がある。天然木には自然の調湿作用と断熱作用を備えているが、水に弱く吸水性があるため汚れが付着浸透してしまうと除去するのが困難となる。一般的には表面を防汚コーティングされている合板や人工木が主流となり、掃除は比較的ラクといえる。しかし、せっかく無垢の木材を使ったのに、ワックス等などのコーティングにより木の呼吸を止めているなんて事もあるので、使用目的や素材に適したメンテナンスが必要となる。
ハウスクリーニング現場資料画像3・・・木質系壁面材

   

 木質壁面材。写真の場合は横溝にホコリなどの汚れがたまりやすい。

 
(4) 調湿内装材
室内壁面に使用される、調湿建材の一種で珪藻土を電子顕微鏡で拡大してみると、無数の孔がありこれにより調湿効果が得られるとされている。珪藻土や漆喰やその他の調湿効果のある建材には、共通して調湿を行うための凹凸(多孔質構造)があり、汚れは付着しやすく除去しにくいので掃除は大変となる。また、吸音材なども表面に凹凸のあるものが多く水に弱い傾向があるため、汚れが付着しやすく掃除は大変である。クローゼットなど汚れにくい場所での使用や、その他で汚れにくい環境を作るなどの対策をすることで、居住後の掃除をラクにするとよい。

ハウスクリーニング現場資料画像4・・・調湿壁面材など(漆喰や珪藻土などの壁材)

   

 表面に凹凸があるためほこりが付着しやすく、上記画像のように壁面で堆積していく。カビなどが発生すると除カビが困難なため、リフォームすることが多い。

 

【2】窓サッシと掃除について
居住後の窓サッシの掃除をラクにするためには、そこに付着する汚れ対策や掃除作業がしやすい商品を選ぶ。窓サッシは外部との境にある開口部であるため、外気に含まれる汚れの付着や結露によるカビの発生、室内で発生する浮遊塵の堆積および湿気により固着など、汚れの種類も多く衛生面を考えても重要な建材の一つとなる。
また、窓ガラスは単に室内側の汚れを除去するだけでなく、外側の掃除についても考えなければならず、2階以上にある窓の外側掃除は高所作業となるため大変である。これらのことを踏まえて窓サッシは、結露対策ともなる断熱サッシを使用する事で湿度を抑えカビ対策となり、衛生的で掃除がラクになり省エネにもなる。
その他、個人的な意見となるが、実際にYKK AP・新日軽・トステムのショールームで商品を使用してみたなかでの、掃除に関する感想を述べると次のようになる。(*2007年調査)
掃除がラクな窓サッシの種類は、上げ下げ窓(内倒し機能付き)、たてすべり出し窓、両たてすべり出し窓、内開き窓、中軸回転式トップライト、などで、これらのタイプは室内側よりガラス外面の掃除がラクに行える。各社の商品性能や掃除についての対策はほぼ同じであるが、実際に操作をしてみると、部品や操作性に若干の違いがある。その中でも、YKK APは商品全体的にしっかした感じが、経年の耐久性に対して信頼を覚える。掃除を行うための操作に使われる、細かい部品まで丈夫に作られているので、掃除をよくする方には良いと思う。YKK AP営業マンの話によると、「他社よりも使用している素材(アルミなど)の厚みが0.0…?厚いので(数値は忘れた)、その違いが質感となって出ている」といっていたが、そのせいか使用の際に少し重量感があった。今回紹介するのは、「掃除がラクな窓サッシ」の1例として、YKK APの商品を使って説明する。

(1) 掃除がラクな窓サッシ

① 室内側から外側の掃除ができる窓サッシ

 

② 床の凹凸を少なくする窓サッシ
大開口サッシなど、通常のレールタイプに比べノンレールタイプのサッシは掃除がラクなものといえる。フラットな形状だからこそ、汚れにくく掃除がしやすい。さらに道具を使わなくても下枠アタッチメントカバーを取り外しできるなど、掃除の事も考えて作られている商品は掃除がラクといえる。

   
(2) 掃除がラクな網戸 
窓や扉などの開口部に網戸を取り付けることで、外部からの汚れや虫などの侵入を防いでくれるため、室内は汚れにくくなり掃除がラクになる。そして、網戸の掃除がラクな商品の一例として、ロール式網戸は、使用しない時は収納されているので汚れにくく、ケースカバーを開くと、ネット外側の掃除が室内から行うことができる(*YKK AP 網戸) 。
また、フィルター機能を持つ網戸は、花粉やホコリの侵入を阻止するため1インチあたり網目200本という高密度ネットが、優れたフィルター効果を発揮し部屋にきれいな空気のみ取り入れることができるので、吸入性アレルギー対策ともなる。(*セイキグループ「マドロール」)

 

【3】 掃除がラクな扉
扉(建具)は、各部屋の扉から浴室・トイレ・収納スペース・玄関の扉など使用される場所も様々で、各場所やインテリアによっても多くのタイプの扉がある。それら扉の掃除を考えた場合に共通して言えることは、建材表面に防汚コーティングなどが施されていたり、凹凸が少なく耐水性があるなどの扉を選ぶと掃除がラクになるといえる。

 
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今回紹介した建材は1例であり、その他にも掃除がラクな建材は多く存在する。そして、建材選びは掃除がラクになる1つの手段であり、建材の特性や掃除のしやすさなどを考慮して選ぶことが大切である。仮に、掃除が大変な建材を選んだとしても、それを踏まえ掃除方法など理解したうえで使用するのと、そうでないのでは大きな違いがある。

 

次回は、「第四章 掃除がラクな作業環境を確保する」 を紹介する。