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連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

掃除がラクな作業環境を確保する /第四章

4-1 掃除の作業環境を考える
掃除の作業環境を考えるまえに、居住後の掃除作業をどのように行うのか?を考える。その作業内容により、必要とされる用具や設備などがみえてくる。そして、作業が効率よく行えるための環境を整備することが、掃除をラクにし、日常生活に伴う汚れ対策となる。掃除作業の方法については、第一篇・第二章で紹介した「住まいの掃除の基礎知識」を活用する事で、どのような作業方法でどのように進行していくのかなどを検討する指標ともなる。また、他のうえきの法則により汚れにくく掃除をラクにすることでも、居住後の掃除作業がラクな環境を確保する事となる。

 
  
 
画像(上)は掃除職人の市川。お掃除企画の撮影にて居住者に向けて掃除法をアドバイス。

 
【1】掃除の基本的な作業手順をもとに掃除がラクな作業環境を考える
住まいの掃除を効率よく行う事ができれば、作業時間も短縮できて掃除がラクになる。その作業手順として、掃除の基礎知識を活用するとイメージしやすくなる。例えば、作業方法の知識で紹介した「掃除の基本的な作業手順」をもとに、電源コンセントの位置や水栓の場所や掃除用具の置き場など、設計の段階から居住後の掃除がしやすい環境を整えておく。

(1) 実施の掃除手順をもとに掃除がラクな作業環境を考える
作業を行う際の基本的な実施手順に基づき作業方法を考える。掃除を行う時は上から下へと作業する事が基本であり、2階建て以上の住まいなどは上階から掃除を始める。各階のフロア単位で考えると、狭い空間から広い空間の手順で作業をするほか、室内においては、奥のほうから入り口(扉など室内の出入口)に向かって掃除を行う。家全体で考えた場合は、屋内から屋外へと掃除を行うことで効率よく作業を進めることができる。具体的な例を挙げると、一般的に日常的な掃除作業に欠かせないのが掃除機である。掃除機を使用する場合、掃除作業の基本的な実地手順を考慮して設計の段階からコンセントの位置や、掃除機を収納する用具置き場など、掃除作業が効率よく行われるように設置する事で、掃除がラクな作業環境を確保することができる。

 
   

 

(2) 位別の掃除手順をもとに掃除がラクな作業環境を考える
室内の各部位によっても作業方法は異なり、このときも上から下へと掃除作業する事が基本となる。手順としては上部にある天井から順番に、壁、窓サッシ、家具、最下部にある床となる。例えば、高所の天井や壁の掃除をするにはどのような作業内容で、効率よく行うためにはどのような環境を作ることが掃除をラクにするのか?などを考える。ここに付着する汚れはほこりなどの浮遊塵が多く、掃除機の延長ノズルや伸縮するハタキなど、高所の作業がラクに行える掃除用具を使用することで、掃除がラクな作業環境を作ることができる。また、掃除がラクな建材を使用することや、汚れにくい環境を作るなど、他の法則を使用することでも掃除がラクな作業環境を作る事になる。

   

 

(3) 場所別の掃除手順をもとに掃除がラクな作業環境を考える
場所別で掃除の手順を考えた場合、衛生面や使用頻度などを考慮して効率よく行うための基本的な手順がある。始めに掃除を行う台所は食料品などを取り扱う場所なので、掃除を行う作業者がトイレや浴室などを掃除する前に行うほうが衛生的である。また、台所は水廻りでもあるためカビやバクテリアなどの微生物による汚れや臭いのほか、調理に伴う油などの頑固な汚れも多く付着するので、掃除作業にかかる時間や回数も多くなりがちである。つぎに居間の掃除→浴室の掃除→トイレの掃除→玄関の掃除といった手順で掃除をしていく。その際に、各場所に必要な掃除用具と、その置き場を近くに設置する事で掃除のラクな作業環境を確保する。また、各場所に掃除がラクな建材を使用するなど他の法則を使用することでも、掃除がラクな作業環境を作ることができる。

 

 

 

 
4-2メンテナンスのラクな環境
住まいの維持管理(メンテナンス)をラクにするためには、掃除だけでなく、重要な設備となる給排水管や各種メーター類などの点検や補修についても考えなければならない。これらの設備は、内装材や外装材に覆われてしまうことが多いため、あらかじめ対策をしておくとよい。配管などはコンクリートに埋め込んだりせずに、後から補修や交換ができるように設計および施工をする。比較的短期間で補修点検などのメンテナンスを行うメーター類やその他の設備については、要所に点検口などを設けておく。このとき、点検口を住居の外側に設置し、点検に訪れた各専門業者が家に入らなくても作業がラクに行える環境を作るとよい。また、室内の天井裏や壁内にある空調機器類や電気の配線など、設備のメンテナンスが行いやすいように点検口などを要所に設置する事で、天井や壁を壊すことなく補修点検などができメンテナンスがラクな環境となる。

【1】室内点検口
内装材の裏にある配線や配管などのメンテナンスをラクにするために、室内の天井・壁・床の要所に点検口を設置する。

 

 

 

 
【2】外部点検口
メーターボックス(MB)やパイプスペース(PS)などと呼ばれる水道・電気・ガスなどのメーター類がまとめて配置されたメンテナンス用の点検口を、外部の作業がしやすい場所に設置する。また、各個別にメーター類などの設備を使用する場合は、なるべく近くに集めて外部玄関付近に設置するなど、点検に訪れた各専門業者が家に入らなくても作業がラクに行える環境を作る。

 

   
 

 

次回は、第五章  掃除がラクな外装 -- その1 を紹介する。

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