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連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

何所に?どんな汚れ?「汚れの知識」 /第1編 第3章 現状分析 その2

 

● 2.3-2 汚れの知識 (どんな汚れ?)



住まいの汚れとは、家を形成している各部分、すなわち床・壁・柱・天井・間仕切り・造作などや、家具・調度品などの表面に付着し、汚染しているすべての異物を汚れと呼んでいる。掃除の対象とする汚れを識別するには、汚れの知識が必要となる。汚れを識別するには、なぜ汚れたのか(原因)、どんな汚れか(種類)、どのように付着しているか(付着状態)、いつごろ汚れたのか(経時変化)などを調べる必要がある。

★どんな汚れ? 汚れの分析手順
(1)なぜ汚れたのか原因を調べる → (2)どんな汚れか種類を調べる → (3)どのように付着しているか付着状態を調べる → (4)いつごろ汚れたのか経時変化を調べる

 



(1) なぜ汚れたのか? 原因を調べる
汚れを知るうえではじめに確認することは、なぜ汚れたのか原因を知ることである。原因が判らないために掃除方法を誤って、無駄な作業が増えたり、建材の損傷を招いたりもする。原因を調べる事で、汚れが付着するメカニズムや主成分を予想できるだけでなく、原因を理解して対策および予防をしない限り、また汚れが付着する可能性が高いということになる。

建築物に異物が付着する原因を考えると、大きく分けて"自然的原因"と"人為的原因"の二つになる。

1) 自然的原因
住まいは、使用しないでも相当の期間が経過すれば汚れが見えてくる。その原因は↓
1. 空気中に浮遊混在している粉塵・花粉・炭素粒子などが気流に運ばれて、住まいに接触し、あるいはわずかな隙間から内部に侵入して建材などに付着する
2. 雨水の中に混在している異物や、壁面などにたまった汚れが降雨とともに、住まいへ付着および壁面などを伝って流れ出し、雨水の乾燥とともに固着する
3. 動物類の活動やフンなどで汚れる(ねずみや鳥など)
4. カビや衛生害虫などの発生によって汚れる
5. 空気中に含まれる化学物質や酸性雨などにより化学反応して汚れとなる
6. その他

 
 

2) 人為的原因
住まいには、人間の使用につれて様々な異物が付着する。このような汚れの汚染率は、自然的な原因よりもはるかに高い。その原因は↓
1. 歩行による靴裏の泥やホコリ
2. 手垢・分泌物・排泄物・抜け毛など
3. 飲食物や調理に伴う油煙、タバコの煙および灰など
4. 物品の移動に伴う細片
5. 衣服などの磨耗粉や繊維くず
6. その他

 
 


(2) どんな汚れか? 種類を調べる
汚れの種類は無数あるが、大きく分類すると水溶性物質(水になじむ汚れ)、油溶性物質(水をはじく汚れ)、その他汚染物質などがあり、汚れの種類によって使用する洗剤もそれぞれ異なる。しかし、現実には複数の汚染物質が混在して汚れを形成しているので、汚染原因や周囲の状況、臭いや感触、水になじむ又は水をはじくか?などによって主な汚れを判別する。

1) 汚れの基本調査
1. 汚染原因や周囲の状況から付着している汚れを分析する
2. 水になじむ又は水をはじく汚れなのかを分析する
3. 臭いや感触などによって汚れを分析する
 

 
* 汚れは、複数の汚染物質が混在し形成しているので、調査していくとその数はとても多くなる。一般的にハウスダストといわれている塵・ほこり等の成分は、外から室内に侵入してくる土ぼこりや花粉など以外は、ほとんどが室内で生じた各種の磨耗粉である。その大部分は衣類や紙から生じた繊維などの粉であるため、この種のほこりを俗に"綿ぼこり"という。その他に、人のフケやアカ・食品の屑・ペットの毛・カビ類・ダニ類・etcなども含まれる。さらに空気中に混在している有害物質などを加えるとその数はもっと多くなる。したがって、掃除の対象となる汚れの種類を調べる時は、その主成分を判別するための基本的な調査をすると良い。

 

 

(3) どのように付着しているのか?付着状態を調べる
汚れの付着状態によっては、同じ汚れであっても除去方法が異なる。また、汚れの種類や建材の種類によっても、汚れの付着状態に違いがでてくる。建材表面に載っているだけの汚れもあれば、建材に吸水性があるため表面だけでなく内部まで浸透している汚れもある。
汚れの除去を考える場合は、汚れ物質の種類とその性質を知るだけでなく、さらに汚れの付着状態と、そこに働いているメカニズムを知る必要がある。汚れの付着状態は、汚れ物質の性質によって異なるだけでなく、付着されている建材などの性質によっても違ってくる他、付着後の時間的経過によっても変化する。このように汚れの付着状態は様々で、簡単なものから複雑なものまであり、付着に働いている力も様々である。その中でも代表的な付着状態を次に記す ↓

 
 その他、錆(サビ)などにおかされる、つやが無くなる、傷がつく、焦げる、はがれる、変色または退色するなども汚れとされ、その付着状態といえる。



(4) いつごろ汚れたか?経時変化を調べる
汚れによっては、空気に触れて酸化したり、液体の物が固まったり、時間とともに汚れが変化する。例えば・・・鉄が酸化して錆(サビ:酸化鉄)たり、コーヒーや緑茶などに含まれるタンニン酸のしみは、時間の経過に伴って除去しにくくなる。したがって、長時間汚れを放置させない事が大切であるとともに、汚れが付着してからの経過時間により、除去作業の方法も変わるという事になる。

1) 汚れと経時変化の実例



① 長期間にわたり使用し続けたエアコンのフィルターに、ホコリなどの汚れが積み重なり、フィルター本来の機能は失われている。このホコリは通常のホコリに比べ、室内空気に含まれる湿気や油脂成分を含み、長期間にわたり吸い込まれる圧力と時間の経過に伴って、簡単な除去力では除去しにくいものとなっている。除去を行う場合は、ブラシ類など物理的な力を使い掃除機と併用して作業すると良い。

② 長期間にわたる喫煙により、全体的に茶色く汚れたエアコンの表面カバー。周りの壁紙に比べて汚れが目立つのは、エアコンのカバーに使われている素材がプラスチック系(親油性を持っている)であるため、油脂性の汚れが付着しやすいだけでなく静電気も帯びやすいためと考えている。

③ ガスレンジに付着した汚れ。調理の際に噴きこぼれた液体が焦げてしまい、時間の経過に伴って固着して、除去しにくいものとなっている。噴きこぼれてすぐの液体のうちに拭き取れば、ラクに除去する事ができる。

④ 壁紙のカビ被害。カビが発生してから時間がたつにつれて増殖し、汚染範囲が広くなっていく。さらに、長期間カビを放置しておくと、壁紙が変色をおこしたり、損傷したりするだけでなく、衛生的にも良くないので注意が必要である。


次回は、「掃除方法の決定」と題して、掃除作業の方法を決める際に必要とされる知識について紹介したいと思う。

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