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連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

第二編 1-3 室内を対象とした汚れの予防対策 .1 ほこりなど空気の汚れ対策 -- その4

 
・・・前回からの続き・・・

 

 

  

ここで補足事項を加えておきたい。
先にも述べたように、空調対策はホコリ対策の重要ポイントの一つである。
住まいの日常的な掃除は、ホコリ掃除が終われば全体の半分は作業を終えたといっても過言ではない。そして、私の構想案(自宅)でも最重要視している。
その理由は、家族に吸入性アレルギー患者がいるためである。原因物質(アレルゲン)となるのは、ハウスダスト、ダニ、花粉、真菌(カビ)、動物の毛垢、昆虫、etcである。ちなみに、日本人の約3人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していると言われており、私も軽度の花粉症だ。
アレルギー症状はアレルゲンの摂取により現れるため、厚生労働省でも*患者がアレルギーのアレルゲンを日常生活の中で管理できるように、抗原回避などの自己管理手法の確立が求められており、自宅で実施可能な環境中抗原調整手法の開発などは、厚生労働科学研究の一研究事業として優先目標にもなっていた。
【 *我が国のアレルギー研究と対策・・・厚生労働省・H17 リウマチ・アレルギー対策委員会報告書からの抜粋引用
平成4~6年度の厚生科学研究事業におけるアレルギー総合研究事業疫学班において「我が国のアレルギー疾患疫学調査」が実施されました。その結果、我が国全人口の約3人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることが示され、国民病ともいわれるようになりました。
厚生労働省は、厚生労働科学研究の一研究事業として免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業を行っています。そのなかでも、平成22年までに研究成果を得られるように、「アレルギー疾患者自己管理手法の確立」は重点的に研究が推進されています。それは、患者がアレルギーの原因物質を日常生活の中で管理できるように、抗原回避などの自己管理手法の確立が求められているのです。最優先研究目標においても・自宅で実施可能な環境中抗原調整手法の開発などが挙げられています。】

掃除の専門家として私が家族に出来ることは、住まいに起因する吸入性アレルギーの抗原を回避・除去・改善するための掃除を行うことである。そして、長期にわたり維持管理しやすいように、また患者のQOL* 向上が図れるようなアレルギー対策として、住まいを汚れにくく掃除がラクな家にすることが求められてくる。それは、家事もラクになり、家の寿命も延び、掃除がラクで健康でエコロジ-なものになると考えていたからである。 *QOLとはクオリティーオブライフの略

つまり、私の考える掃除がラクな家とは、吸入性アレルギー対策の一面を持っていると思われ、空調対策などは個人的には最重要視している。
例えば、空調機器に対する考え方や対策に大きな違いがある。国交省管轄の住宅における品確法に定められている換気対策として「換気回数は0.5回/時間」があるが、これは最低限の基本的性能であり、これに加えて「空気の質」についての対策が現在重要に思える。
質の向上対策として、厚生労働省管轄で住宅ではないが特定(特殊)建築物を例にあげると、「建築物衛生法に規定する空気調和設備とは、空気を浄化し、その温度、湿度及び流量を調節して供給することができる設備であり、同じく機械換気設備とは、空気を浄化し、その流量を調節して供給することができる設備である」とされている。そして、私の取得している掃除の国家資格などは厚生労働省の管轄であり、建築物衛生法やその他の関係法令などと密接な関係を持ち、建物の清掃およびメンテナンスを行う為のものである。

自宅として構想案をまとめた本文【健康住宅・掃除がラクな家】とは、特定建築物などの清掃および維持管理における対策を、住まいの対策として取り入れた一面をもつものであるといえる。そして、住まいの様々なライフスタイルに対応することを目的として、基本的な要素と柔軟性を重視した内容となっている。

これらの前提事項を理解いただき、下記を読んでもらいたい。

 
(3)人と家の健康を守る換気システムに必要な性能
室内のほこり(浮遊塵)を速やかに室外へラクに除去する対策として、換気設備や空調機器などの住宅設備機器(換気システム)がある。これに、室内においての「空気の質」に関して、人と家の健康を考慮した場合、住まいの換気システム求められる4つの性能についてつぎにあげてみる。
① 調湿性能   : 加湿機や除湿機などにより室内の年間平均湿度40~50%を保つ
② 換気性能   : 給気設備と排気設備の組み合わせで室内の空気を換気する
③ 空気清浄性能 : 空気清浄機により空気に含まれるほこりや花粉などの汚れを処理する
④ 温度調節性能 : 冷暖房機器により室内の温度を好みで調節できる


   

(4)「掃除がラクな家」が提案する換気システム
「掃除がラクな家」が提案する換気システムは、高気密住宅における24時間全館換気システム(加湿、除湿、換気、空気清浄性能)+冷暖房機+局所機械換気(同時給排気タイプのレンジフード、他)などを組み合わせたシステムを理想とする。 *第一種換気システムとなる

*掃除のプロとしての意見・・・(ダクト清掃専門業者など)
数年後に訪れる、換気用ダクトの内部清掃(電動ブラシ回転式ダクト清掃機による)や機械点検のことを考え、ダクトは直線的で要所に点検口などを付け、掃除メンテナンスを考慮した設計とすることが望ましい。


   
★ 高気密住宅における24時間全館換気システム(加湿、除湿、換気、空気清浄性能付き)は、ダイキン工業㈱:全館空調システム「エアカルテットPLUS(プラス)」*1を使用するとして話をすすめる。 *1 商品に関する詳細はメーカーホームページを参照
1) 24時間全館換気システム(室内空気の質にこだわる)

   外部より給気--------------------→ 室内へ----------------------→ 室外へ排気

① 給気
少しでもキレイな空気を室内へ取り込むために、給気口には、フィルター付きのものもあり、フィルターの種類によって虫や粗塵など室内換気システムへの侵入を防ぐことができる。*ただし居住後には、フィルターの掃除・メンテナンスを定期的に行うことが予想される。

② 加湿・除湿・空気清浄
取り込まれた空気はシステムの中で、加湿および除湿により湿度40~50%に調湿された後、外気に含まれるほこりや花粉などの汚れを、外気処理フィルターで取り除き、さらに光触媒方式の光クリーンで汚れや臭いを取り除き、空気清浄されてから室内へと送られる。とくに、調湿性能(室内の年間湿度40~50%)はカビやダニやゴキブリの対策においても高い効果を示すものと考えている。

③ 冷暖房
冷暖房については全館集中管理も良いのだが、個人的には居室ごとでエアコンによる冷暖房とする。購入および設置のコストや掃除およびメンテナンスを考えるとエアコン(壁掛け・天井埋込タイプ)のほうが容易に行うことが出来るのも理由の一つである。

④ 排気
外へ排出する空気とともに湿度を排出し、熱だけを回収する「顕熱交換方式」を搭載している。せっかく冷暖房した熱を、換気のたびに逃すことがないので、省エネ性も良いと考えている。

⑤ 局所換気
キッチンのレンジフードや風呂場・洗面脱衣所・トイレなど水廻りの局所換気機器を、メインシステムと連動させて統一的に使用出来れば理想である。メインとなるシステムには、換気扇やレンジファンを運転する際、自動的に風量を増やして、換気効果を高める「自動風量アップ機能」がついている。

 
* 本構想案は2007年版であり、2010年現在の考え方は少し異なる。天井ダクト式の空調システムについては建設コスト高や長期にわたるメンテナンス性を考えると、紹介した製品とは違うものを選出している。また、換気量についても業界の各専門家と協議を行っている。
詳しくは、日経ホームビルダーで連載している「掃除がラクな家建設ルポ」の第4回「空調対策(仮題)」にて紹介する予定である。


 

 
ほこりなど空気の汚れ対策のまとめと掃除がラクになる法則
第一章の汚れにくい環境をつくるために、室内を対象とした汚れの予防対策として、まず、ほこりなど空気の汚れ対策を紹介した。その対策と、掃除がラクになる法則との関係を次に記す。

掃除がラクになる4つ法則は、互いが矛盾しないよう組み合わせて使うことで大きな効果を生むものと考えている。汚れにくい環境をつくることは掃除がラクになる法則の一つだが、掃除がラクになるものを活用して汚れにくい環境を作ったり、凹凸を無くす又は使用場所や形態を工夫することでも、汚れにくい環境をつくることができる。

 

具体例・・・(ほこりなど空気の汚れ対策のまとめ)

【1】室内への侵入を防ぐ対策
ほこりなど空気の汚れ対策として、外から室内への侵入を防ぐ対策を行う。具体的な場所として、窓や玄関など開口部の対策を主に行う。

◆■ 窓などの開口部に多機能ルーバー、 ◆■ 窓などの開口部に網戸を取り付ける、    ◆■ 玄関マットなどによる対策
【2】室内の汚れにくい設計と建材
ほこりの性質を考慮した設計と汚れが付着しにくい室内の対策

◆● ほこりの性質を考慮した設計
◆●■ 壁内収納(テレビや本棚なども含む)
◆●■ 天井埋め込みタイプの照明
【3】室内のほこり(浮遊塵)を速やかに室外へ除去する対策
室内のほこり(浮遊塵)を速やかに室外へラクに除去する対策として、人と家の健康を考えた場合、住まいの換気システム求められる4つの性能について注目した。

◆● 高気密住宅における24時間全館換気システム(加湿、除湿、換気、空気清浄性能)+冷暖房機+局所機械換気(同時給排気タイプのレンジフード、他)などを組み合わせたシステムを理想とする。

 

次回は 第一章 -3.2 カビ・衛生害虫の対策 -- その1 を紹介する。

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