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連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

掃除がラクな建材の詳細(掃除がラクな水廻り)/第2編 第三章 -2.

 

 

3-2 掃除がラクな建材の詳細
ハウスクリーニングの人気メニューごとに「掃除がラクな建材」を例に挙げると以下のようになる。
1. 掃除がラクな水廻り 2. 掃除がラクな床材 3.掃除がラクな壁面・天井材

 

3-2.1 掃除がラクな水廻り(キッチン、浴室、トイレ)
水廻りは、食事を作ったり体を洗ったり排泄物を処理するなど、衛生性が求められる場所でもある。そして、水を使う場所なので、他の場所よりも汚れの種類が多く、掃除に対する予防対策においても重要な場所となる。

ハウスクリーニングなどの現場で水廻りを掃除するときに、依頼主に満足してもらうためのキレイにするポイントがある。使用に伴い汚れやすく目立つ所や、掃除が困難な所がポイントとなる。それらの個所に掃除対策がしてある製品は、掃除がラクになると予想できる。
ポイント以外にも実際に掃除をする所はまだあるのだが、各所総体的に見て、掃除のことも考えて作られた製品や空間は、掃除がラクなものである。また、居住者(使用者)に向けてメーカー(生産者)のホームページなどにより、製品各所の掃除方法をわかりやすく情報発信しているなども、居住後の掃除をラクにする大切なポイントとなる。
 では、実際のハウスクリーニングにおける、水廻りの汚れの写真と掃除ポイントをつぎに記す。掃除がラクな水廻りを選出する際のチェック項目として使用もできる。

ちなみに・・・掃除がラクな水廻りを調べるために、色々な形で情報収集を行った。例えば、キッチンやレンジフードについては、TOTO・INAX・サンウエーブ・クリナップ・YAMAHA各社のショールームへ実際に行き、掃除について検証してみた(2006.12月)。
各ショールームで掃除のしやすさや、レンジフードを分解してみるなど、日常的な居住者の掃除から、掃除のプロとしての立場の両方から調査を行なった。個人的な意見となるが、各メーカーとも商品の掃除について考えられてはいるのだが、総合的にみるとTOTOの商品は「掃除」に力を注いでいるという印象を受けた。各社のカタログを比較しても、TOTOは「掃除がラクな商品特性」を一番多く取り上げているほか、居住後の掃除方法を判りやすく説明していて、必要な時はインターネットでいつでも見ることのできる環境が用意されていたので好感を覚えた。

 

【1】掃除がラクなキッチン ・・・●掃除がラクなポイント

 

   
 

■ キッチンの掃除がラクになるポイント

 ① レンジフード:ハウスクリーニングの中でも単品での依頼も多く、それだけ掃除に対する改善が求められているともいえる。調理に伴う油煙の排気や室内換気の役割を果たすなど、重要な設備である「レンジフード」。しかし、キッチンの中で最も汚れやすく掃除が大変な個所でもある。したがって、フード内は溝や凹凸が少なく、防汚コーティングしてあるなど、汚れにくい工夫や掃除がラクな対策が施されているかをチェックする。

 ② キッチン壁面:表面に凹凸がなく堅い素材で、耐水・耐洗剤性があるなどの建材が望ましい。また、コーティングなどにより、汚れが付着しにくく、付着しても落としやすいなどの防汚対策についても、掃除がラクになるポイントである

 ③ 水栓:固定式のタイプよりはハンドシャワー式のタイプをお勧めする。ホースを引き出せて伸縮するため、シンクの隅々まで洗えて掃除がラクになる。

 ④ シンク(流し台):水を使う場所でもあり汚れの種類も多

くなるため、防汚コーティングや水滴がたまりにくい形状の工夫な
ども、水垢などの汚れが付着しにくい効果があり掃除がラクとなる。また、様々な作業により頑固な汚れが付着しやすく、除去には"擦る"といった作業が加わるなど、シンクの表面は傷がつきやすい環境であるため、耐久性があり傷つきにくいか?などもチェックしておくと良い。

 ⑤ コンロ廻り:お勧めはIHまたは、ガラストップコンロ。トッププレートは凹凸がない、またはフラットに近い状態が望ましい。そのことにより、吹きこぼれや汚れなども拭きやすくなり、掃除がラクとなる。

 ⑥ カウンター:天板に使用される素材は、さびにくいステンレス素材のものが多く使われているが、表面に浅い傷が付きやすいのが難点であるといえるので、この問題を改善しているものが望ましい。また、近年では、人工大理石などの素材でできたカウンターもあり、熱や衝撃に強く、凹凸が無くて掃除がラクといえる。

 ⑦ キャビネット扉:表面に凹凸がなく、特殊樹脂コーティングがされているなどの物は掃除がラクといえる。

 
 

 【2】掃除がラクな浴室(バスルーム) ・・・●掃除がラクなポイント 

    

 

■バスルームの掃除がラクになるポイント

① 天井・壁面...凹凸が無く汚れにくい素材や、防汚コーティングなどにより掃除をラクにする工夫。また、壁面の角などつなぎ目に使用されるコーキングもカビが発生しにくいものを使用する、またはつなぎ目がないなど建材表面についての工夫や対策をチェックする。その他、壁内の気密化と断熱化により、水滴が落ちる原因となる結露を大幅に抑えるなど、構造上の対策もポイントとなる。
● 壁面にあるものとしては水栓類も汚れやすく、掃除が大変なので大切なポイントとなる。水栓の形状は凹凸が少なくシンプルなものがよい。付着する汚れは主に水道水に含まれる塩化カルシュウムなどや石鹸カスにより、白い水垢状になって汚れる。この汚れは付着堆積すると除去に困難を伴う。日常生活の中で使用に伴い付着するため、住まい手の掃除やお手入れ方法によって汚れ方に差がある。

② 浴室換気扇...換気により浴室の湿気を外に排気する重要な設備である。しかし、空気と一緒に湿気を排気するため、汚れは水分を持ち乾燥とともに固着する。そして、それを繰り返し堆積していくため、通常の室内換気扇とは付着する汚れに違いがあり、湿気や水分をどう処理するかで発生する汚れの種類も少なくなる。なので、浴室に暖房や除湿機能が付いていると、乾燥を早めたり湿度を抑えることが出来るので、カビや雑菌の発生しにくい環境を作る有効な手段といえる。

③ 入口扉...扉のゴムパッキンなどに発生するカビ汚れや、一般的によく見かけるドア下換気口などは汚れがたまりやすく掃除は大変な個所となるので、あらかじめ予防対策してあるものは掃除がラクといえる。

④ 浴槽は...FRPや人工大理石など凹凸の無い素材を使用し、角がない形状が望ましい。その他、浴槽エプロンの脱着がしやすいことや、壁または床などの隙間をカビにくいコーキングを使用しているなどもポイントとなる。

⑤ 床面...床面は安全性を考えると滑りにくい素材や形状が好ましい。近年では床面に特殊な凹凸をつけることで、滑りにくく、水の表面張力を壊し排水能力を向上させた床材などがある。しっかり排水して水溜りを作らないことは、様々な汚れの予防となる。また、排水口なども日常的に掃除をする場所なので、「掃除はしやすいか」などがポイントとなる。

 

 【3】掃除がラクなトイレ ・・・●掃除がラクなポイント 

    

 

■トイレの掃除がラクになるポイント

① 温水洗浄便座:近年の主流となる温水洗浄便座。従来のトイレよりも部品が増え複雑な形状になった分、掃除をする個所も増えた。汚れやすい本体と便器や便ふたが簡単に外せるものなど、掃除のしやすい工夫または一体化していて隙間が無いなどは掃除もラクである。

② ノズル:温水洗浄便座についている、ノズル部分も汚れがたまりやすく衛生性が求められるところなので、ノズルの掃除についても対策がしてある商品が望ましい。ノズル部分にこびりつき堆積した汚れの除去は困難となるので、こまめに掃除をしたいところでもある。

③ 便座:便座の裏側は、目立ちにくいが汚れがたまりやすいので、汚れにくい対策または、汚れても掃除がラクになる対策が施されているとよい。 ④ フチ(淵):便器の淵は洗浄水などが出る小穴部分に水垢などの汚れがたまりやすいため、淵に汚れがたまりにくい設計や形状などの予防対策がしてある製品は掃除がラクである。近年の便器には洗浄水の出る場所が変わり淵が無いものも多く発売されている

⑤ 便器本体:便器表面の形状や素材やコーティングなどにより汚れにくい対策をチェックする。また、便器に常時たまっている水(封水)を無くすまたは水位を低くする機能が付いていると、輪ジミとなって付着している水垢汚れを、洗剤をつけて洗浄できる。これらの機能が付いている商品は、掃除作業がラクになるといえる。(*ハウスクリーニングの現場ではこの封水を雑巾やスポンジで取り除いてから掃除を行う)

⑥ 床材:トイレの床、とくに便器の正面手前側は汚れやすい。男性が暮らす家などには、トイレ特有の汚れに強い床材を便器の周辺など使用することで、居住後のトイレ掃除がラクになる。

⑦ トイレ換気扇:水廻りとなるトイレは、通常狭いスペースの個室であることが多い。したがってトイレの換気扇は臭いや湿気を外に排気する大切な設備となる。また、近年の気密化住宅では住まい全体の換気量に関わることもあるので、汚れをためないよう掃除することが求められる。

 

 

 次回は、「掃除がラクな床材」を紹介します。

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