トップ>連載企画>第22回 室内を対象とした汚れの予防対策 .カビ・衛生害虫の対策 2 /第二編 1-3

連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

室内を対象とした汚れの予防対策 .カビ・衛生害虫の対策 2 /第二編 1-3

 
「カビの発生しない家」と「害虫が発育しない家」!?
カビや衛生害虫は不快なだけでなく、家を損傷させたり人体に害を及ぼす。とくに、カビやダニなどは吸入性アレルギー疾患のアレルゲンとなるため、発生および発育させない対策が重要となる。そして、両者には共通の対策ポイントが多く存在する。

 

   

【1】掃除をこまめにする対策
室内の掃除をこまめにする事で、カビや衛生害虫の栄養(エサ)となるものを除去する。そのためにも、汚れにくく掃除のしやすい室内環境を作り、掃除をラクにすることは大切であり、「掃除がラクな家」の目的でもある。

(1) 室内の掃除をラクにするために・・・ 掃除がラクになる法則を採り入れる
・ 汚れにくい室内環境を作る
↓ 室内の凹凸を無くす又は使用場所や形態を工夫する
↓ 室内に掃除がラクな建材を使用する
・ 掃除がラクな作業環境を確保する
・・・詳しくは全体を通じて紹介する

 

【2】湿度をコントロールする対策
湿度をコントロールする対策として、大きく3つに分けて考えてみた。一つ目は設計による調湿対策、二つ目は換気による調湿対策、三つ目は建材による調湿対策である。

(1)設計による調湿対策
夏場など窓がなく湿気のたまりやすい居室は、高湿度になりやすくカビやダニなどが発育しやすい環境となる。窓の大きさや位置などにより、室内への採光や通風の量は大きく変わり、そのことが室内の湿度にも影響する。そのため室内が高湿度にならないための、採光や通風を考えた設計による対策も大切なこととなる。

(2)換気による調湿対策
24時間全館換気システムにおける加湿、除湿、換気による湿度調節

   

(3)建材による調湿対策
ウォークインクローゼット、物置、押入などの壁や天井に調湿効果のある建材を使うなどの対策をする。調湿建材の表面は凹凸があるものが多く、比較的に掃除は大変である。しかし、ウォークインクローゼット・物置・押入などといった、湿気がたまりやすくカビやダニが発生しやすい場所で調湿建材を使用することは、結果的に湿度を抑え掃除がラクになる。さらに、居室に比べて汚れにくい場所でもあるため掃除の回数も少ない。
*珪藻土壁や畳床など、調湿効果の機能を備えた建材もある。その他、吸放湿性・通気性のある壁紙や建材を使用するなども有効となる。

 

【3】 結露対策
住まいの結露には表面結露と内部結露があり、一般的な結露防止にはつぎのような対策がある。ただし、これらは建築現場に置いて正確な施工がされていることを前提としている。

(1) 表面結露
・ 壁体内部に断熱材を入れる
・ 窓には2重ガラスや断熱サッシを用いる
・ 適当な量の換気を行う
・ 家具と壁に隙間などを作り気流を通す
・ 水蒸気の発生を極力抑える
・ 温度の分布を極力抑える
・ その他、露点温度以下にならないよう努める

(2)内部結露(躯体内部の結露)
・ 壁体内部に断熱材を入れ、防湿層を高温側に入れる
・ 外断熱にする
・ その他、内部結露と同様の注意をする

 

【4】 空気が高温になるのを防ぐ対策
室内の空気が高くなりすぎるのを防ぐために、3つの予防対策を挙げる。

① エアコンによる温度調節
エアコンにより1年を通じて室内の温度が高くなりすぎるのを防ぐ

② 通風による温度調節
通風を考慮した設計により室内に風を通す事で、室内の温度が高くなりすぎるのを防ぐ

③ 採光による温度調節
ブラインドまたはルーバー機能により採光調節することで、室内の温熱環境が向上し、夏の冷房効果を高める。

 

【5】害虫を侵入させない対策
外部からくる害虫の侵入経路に、侵入させないための対策をしていく。

① 開口部に網戸
使用頻度の高い開口部に、網戸などを設置することで害虫の侵入を防ぐ。

② 給気口にフィルター
給気口はフィルター付きにすることで、虫や粗塵などの室内への侵入を防ぐ。
花粉・DEP(ディーゼル排気微粒子)対策フィルターなどもある。

 

【6】防カビ剤および防虫剤による対策
カビや害虫を発生および発育させない室内環境対策を主に行い、防カビ剤や防虫剤を併用する事で長期的な防除をする。さらに床下や天井裏などに点検口を設置する事で、居住後の防カビおよび防虫コーティングなどのメンテナンスをラクにすることができる。防カビ剤による対策は、有限会社ベスト(筆者の働く建築物清掃会社)が行っている耐久性防カビ工法により長期にわたり防カビ効果を持続する。

(1)耐久性防カビ工法
耐久性防カビ工法は、室内側の壁表面に防カビ剤を塗布するだけではなく、躯体および建材の表と裏面に防カビ剤を塗布し、居住後も定期的に殺菌などのメンテナンスを行う事で、長期間にわたりカビの発生を抑える工法である。ベストの使用する防カビ剤は、現代の気密化された室内において、長期間効果の持続する強い薬剤を使用するのではなく、多少効果が低くても人に優しい防カビ剤を選択する。カビの基本対策は、カビの発生を防ぐために室内が高湿度にならないようにすることである。防カビ剤による対策は補助的なものであり、どの防カビ剤もその効果は時間の経過に伴って低くなる。しかし、躯体への殺菌や防カビ剤塗布などの作業は、居住後に行うと多くの工事費用や日数が必要とされるため、新築やリフォームを行う際に施工するのが望ましい。

   

 

カビ・衛生害虫の対策のまとめ
第一章 -3 室内を対象とした汚れの予防対策 → .2 カビ・衛生害虫の対策と掃除がラクになる法則との関係

   
【1】掃除をこまめにする対策 ・・・(全体を通じて紹介)
◆●■★ 室内の掃除をラクにする

【2】湿度をコントロールする対策
◆■ 設計による調湿対策
◆■ 換気による調湿対策
◆■建材による調湿対策

【3】 結露対策
◆■ 表面・内部結露対策

【4】 空気が高温になるのを防ぐ対策
◆■ エアコンによる温度調節
◆■ 通風による温度調節
◆■ 採光による温度調節

【5】害虫を侵入させない対策
◆■ 開口部に網戸
◆■ 給気口にフィルター

【6】防カビ剤および防虫剤による対策
◆■ 耐久性防カビ工法

 

 
1.3.3 日常生活に伴うその他の汚れ対策
ほこり、カビ・衛生害虫以外の日常生活に伴う汚れ、といってもその数はとても多く、居住者のライフスタイルによっても汚れの種類や汚染度は様々となる。そして、日常生活をするに当たって必要な行動が汚れを発生させていることが多くあるため、汚れても掃除がラクな対策を主に考えていく。そのためには、凹凸を無くす又は使用場所や形態を工夫する・掃除がラクな建材を使用する・掃除がラクな作業環境を確保するなど、他の掃除がラクになる法則を採り入れる。そして、汚れても掃除がラクな対策をあらかじめ施しておく事で、キレイな環境を維持しやすくなり、結果、汚れにくい環境を作る事にもなる。日常生活に伴うその他の汚れ対策の詳細については、次章から「汚れにくい環境をつくる」以外の法則に沿って順次紹介していく。

 

 

連載目次