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連載企画:健康住宅・掃除がラクな家の構想案

作業方法の知識(除去力の活用法) /第1編 第4章 掃除方法の決定 その3

 

洗剤の知識・用具の知識をもとに除去力の選定 → どのように作業するのか? ← 予防掃除?

 

● 2.4-3作業方法の知識(除去力の活用法)

効率よく掃除を行うためには、作業内容や手順など、除去力(化学的な力と物理的な力)を効果的に活用するための、作業方法の知識が必要とされる。
作業方法を決めるには、「何所に、どのような汚れが付着しているのか?」を分析した結果を基に、「洗剤や用具」などの除去力の選定を行い、それを活用できるような作業内容を決定する必要がある。

例えば、「台所の頑固な油汚れに洗剤を使用する場合、汚れに洗剤をつけてしばらく放置する事で、洗剤成分が汚れを分解する時間となり、頑固な汚れも弱い物理力で除去することができ、結果的に掃除がラクになる。さらに、放置している時間を利用して次の作業の準備や、居間や浴室の掃除など他の作業を行う事ができ、時間を有効に活用できる。しかし、放置時間を誤ると建材に害を与える事もあるので十分な注意が必要である」など、除去力を選定し、作業区分や手順など適切な作業方法により、効率よく掃除を行う事ができる。さらに、掃除後の建材に防汚コーティングをする事で、汚れがつきにくく、付着した汚れをラクに除去できる。

 

★作業方法決定手順

①「作業区分により作業内容を決める」→ ② ①の作業内容に、「掃除の基本的な作業手順」を採り入れ、掃除の全体的な実施方法を組み立てる

 

(1) 作業区分により作業内容を決める
「何所に、どのような汚れが付着しているのか?」を分析した結果を基に、作業区分別の特徴や性質を考慮して、除去力(化学的な力と物理的な力)を効果的に活用するための作業内容を決定する。作業区分としては、建材別・汚れ別・部位別・場所別に分けることができる。例えば、建材別で掃除方法を決定するなら「タイルの掃除方法」となり、汚れ別で作業内容を決定するなら「油汚れの掃除方法」など、作業内容を決めるための基準として建材・汚れ・部位・場所別などに区分して考えるとまとめやすくなる。具体的な掃除方法としては、インターネットなどにより各作業区分の「○○の掃除方法」などで検索すると、様々なサイトで紹介しているので、目的に合った掃除方法を知ることもできる。

 
1)建材別で作業方法を決定する(木、鉄、プラスチック、etc)

   
 

2)汚れ別で作業方法を決定する(ほこり、油汚れ、カビ、etc)

   
 

3)部位別で作業方法を決定する(天井、壁、窓、床、etc)

   
 

4)場所別で作業方法を決定する(台所、居間、浴室、トイレ、玄関、etc)

   
*例)汚れが付着している建材はステンレス、汚れは油汚れ、部位は壁面(高所)、場所は台所の、汚れを除去する作業内容を考える。
傷がつきやすいステンレス建材の性質を考慮して、油汚れを除去するための洗剤や用具を選定し、壁面の高所に対応した作業内容(作業の安全性も含む)を決定する。

   

 

 

(2) 掃除の基本的な作業手順
(1)の作業内容に、掃除の基本的な作業手順を採り入れ、全体的な作業の流れと実施方法を組み立てることで、効率よく掃除を行うことができる。次に紹介する手順は、作業の基本的な目安であり、各住まいの作業環境や状況に応じて個別の対処する事が望ましい。

 

1)実施の手順 
建物を空間として区分した場合の掃除を行う作業手順としては、2階建て以上の家の場合上階から掃除を行う。ほこりや汚れは重力により下に落ちていくため、上階の掃除を先に行うことが望ましい。空間の大きさで考えた場合、広い所より狭い所での作業はしにくいため、先に作業を行う方が望ましい。進行方向で考えた場合、奥の方から入り口に向けて作業することで、作業後の再汚染を防ぐことになる。このようにそれぞれの理由から、効率よく掃除を行うための基本的な実施手順がある。

   
 

2)部位別の手順 
住まいを部位別に区分した場合の作業手順としては、上から下へ掃除をすることが基本となる。ほこりや汚れは下に落ちていくため、作業後の再汚染を防止するためにも上部から掃除を行う。はじめに天井部分の建材や電器類などの掃除を行い、つぎに壁部分となる建材や扉や窓サッシの掃除を行い、最後に床面部分として家具から床の掃除といった作業手順となる。

   
 

3)場所別の手順
住まいを場所別に区分した場合の作業手順としては、各場所の衛生性を考慮すると、食事を作る台所の掃除をはじめに行う。それは、食材などを扱う衛生性を求められる場所に、他の場所の汚れを持ち込まないためでもある。つぎに居室の掃除、浴室の掃除、トイレの掃除の順で行い、最後に玄関の掃除といった作業手順で行うことが望ましい。

   

 

*** 次回は予防掃除として、保護剤の知識について紹介したいと思う。

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