最終回:実験棟と掃除学
健康住宅・掃除がラクな家の実験棟
2011/5 「掃除がラクな外装 ーその1 /第五章」を最後に連載を休止していたが、次の「掃除がラクな外装 ーその2 /第五章」をアップするのを取り止め、2015/6 (4年ぶりの)最終回をむかえます。
本連載は、掃除の方程式(うえきの方程式)と掃除がラクになる法則を発案した2006年頃からまとめ始めた、「健康住宅:掃除がラクな家の構想案2007年版」の内容である。
発案してから約10年を迎えるが、2年前に「健康住宅掃除がラクな家の実験棟」を自宅として建設した。
実験棟では、数多くの「掃除がラク」になるであろう対策を行っており、実生活の中で検証している。その中には、連載での投稿を見送った「掃除がラクな外装 ーその2 /第五章」の対策も採り入れており、実証実験も行った。
1年間のデータを見る限り、その効果の度合いやメリット・デメリット、改良点など様々な事が解ってきた。そして、住まいの掃除はもっとラクに出来る事も実証出来たと感じている。
*「健康住宅掃除がラクな家の実験棟」については、またの機会に紹介したいと思う。
特に、狭小住宅&ローコストと言う課題を克服しつつも、健康性の中でもハウスダストアレルギーに注目し、室内空気質(Indoor Air Quality)を重視した設計を行った。もちろん、出来るだけラクに行えるようにと・・・結果的に大きな成果も感じた。しかし、現在あるもの(建材や住宅設備等)では対策しきれない事もあると感じた。
これらの結果は住まい方や住まいの改善などの他、多くの商品開発にも役立つとも言える。
掃除学
掃除は、建物と利用者の健康を守る大切な行為である。掃除は建物の美観の向上だけでなく、人体に害を与えるような異物を生活空間から排除し、建物の清掃及び点検等を行い寿命を延ばす。つまり、掃除=健康=エコロジーとなるのである。 そして、掃除はもっとラクに出来る。
とても大切な掃除は、追究していくと学問である。建物の違いやそこに住む人や利用者のライフスタイル及び経済環境等、様々な事が要因となり、それぞれに適した掃除方法がある。 そうした、複雑でむずかしい掃除も、基礎知識となる「掃除の方程式」や予防となる「掃除がラクになる法則」を活用する事で、今まで以上に「かんたん」に考えて「ラク」に行えるようになる。
私は、掃除学を基に一般の方からマニアまで、もっと掃除をラクに行うための様々な研究(清掃性改善)を行い、不定期ではあるが今後もメディア等を通じて、掃除情報を発信していきたいと考えている。
掃除は人と建物の健康に欠かせない行為であり、お掃除=健康=エコロジーである。
これからの時代、掃除学を活用し、掃除がラクになる商品や設計が定着して行く事で、掃除がラクな家や建物等が集まり、インフラを含む掃除がラクな都市が生まれ、人々の生活がより衛生的で快適になり、大きな経済効果を生む新たな市場を作り出していく可能性を秘めている。そして私の頭の中では、そのビジョンが明確に見えているのである。